
佐藤参段の選手としてのキャリアはどのくらいになりますか?

何年か前に大きな怪我をされていますがどのような状況だったのでしょうか?
4位入賞した時のウェイト制大会準決勝で、開始数秒で豪快な1本負けをしました。この時の踵落としで記憶が飛び、気付けばもう3位決定戦。この時の外国人選手がまた強い人で、綺麗な後ろ回し蹴りを2発、技ありで貰い合わせ1本負け。「何か頭痛いなあ。」位にしか考えていませんでした。あまりの衝撃に首にまで影響が出ていたので、首の痛みからくる頭痛だと思い、2か月位我慢しましたが、頭痛薬が全く効かない、意識も朦朧とした状態で、手術が必要という事で緊急入院しました。
それでも、空手が好きで、リハビリだけという意味で道場に通いました。退院して半年後位の時期にスタッフで行った試合を見ていたら、また試合をしたいと思うようになりました。まだ歩くのも危うく頭がボーッとし、約1か月後がウェイト制でしたが、出ると決めて練習を本格的に始めると、みるみる回復していきました。やはり、人は、目的があると生命力が湧き上がるようです。
怪我から選手への復帰は心配ではなかったですか?

昨年は全てのトーナメント、公式戦に参加。年間6大会に出場しました。普通では考えられないのですが、佐藤参段を試合に向かわせるものは何でしょうか?又こだわりはありますか?
- 試合の緊張感や達成感です。
- 十分な準備が出来ないから試合に出ない。それは、自分の考える武道ではなくなってしまうので、出来るだけ言い訳はしない為に出る。体調万全で試合に出れる事は、まず無いです。その体調で、どれだけのパフォーマンスを出せるか。試合は、1回の稽古の何倍もの稽古量に匹敵するモノと考えています。それどころか、稽古では気付けない事に気付けるからです。
- 正々堂々戦って勝ちたいです。
- 自分のように才能が無くても試合に勝てる。という事を見せられたら、と思います。
- 最近は、少年部から始めた才能ある選手が続々と出てきています。自分は、今年で43歳になります。10代、20代の若さあふれる選手を相手にしても、オジサンでも勝てる、という事を見せられたら。と思います。年を取っても若い人に勝ち、制圧できる。それが自分の考える達人像なので、少しでも近づけたらなあ。と思います。
試合会場では少年部や若手の選手が佐藤参段の試合を見ています。次世代の選手へのメッセージをお願いします。
上述の質問の答えを、少しでも出せたらと思います。逆に、「もうオジサンの出る幕じゃ無い!」と引導を渡しに来て下さい。それが更に、オジサンが若者に勝つ為にどうすれば良いか、思考し進化させるチャンスになるからです。また、試合指向の人でも基本や型は、大事にして欲しいと思います。
自分は、人より少し多く試合に出ていると思いますが、トーナメントで優勝出来たのは、2回。つまり誰よりも試合に負けていると思います。しかも、4位が多いという事は、1日に2回負けています。誰もが、怪我や負ける事は怖いモノです。試合に出る事、そのものも然りです。しかし、勝った時より負けた時の方が、得るものが多いと思います。少年部の親御さんには、お子さんが試合に勝った、負けたで褒めるよりも、先述した自分に勝ったのかどうかで、指導してあげて欲しいと思います。
自身の経験から、道場から足が遠のいている方へメッセージがあるようですが

最後に2016年の目標をお聞かせください

続けていたお蔭で、今では他の道場の方だけでなく、他流の道場の方にまで声を掛けて頂けるようになりました。とても有り難いことだと思います。今後は、面白い試合が出来るように頑張ります。公式戦で、上位入賞したいです。
佐藤参段ありがとうございました。
清武会の皆さん試合会場では佐藤参段の応援をおねがいします!!