ここ数年体幹トレーニングが注目され、多くのアスリートが取り組んでいる事を皆さんもご存知かと思います。今回の特集のポイントはより良い結果を出す為に、先ず体幹やインナーマッスルとはどんなものなのかを知る事です。そしてもう一つ、普段の稽古で体幹やインナーマッスルを刺激しているという事に気が付く事です。体幹トレーニングと稽古の共通点を知ることで、空手のパフォーマンスアップにつなげましょう!

今年の全日本大会のパンフレットのテーマは「三戦」です。三戦と体幹について師範が詳しく書かれています。より深く、より武道的に体幹を知りたい方は必見の内容です。

2015 大会パンフレットより

三戦のルーツといわれている八歩連の歩法も弓歩である。弓歩から現在の剛柔流系の内八字形の三戦歩法となった経緯は不明であるが、より足趾の締めを強くしようとすると内八字形となった可能性はある。これも変形弓歩と考えられる。この足趾の掴みと締めが体幹に大きく作用する。足趾の締めのない三戦は体幹がつくれず、ぐらついてしまう。試しに八歩連の弓歩をつくり剛柔流の三戦構えをしてみる。つまり足形は八歩連でつくり、手形は三戦の握りをつくってみると体幹が著しく強くなる。足形を変化させただけで体幹が何故強くなったのであろうか。そこに空手のみならず中国武術の歩法の秘密がある。

中略

現代のスポーツ科学が辿り着いた体幹トレーニングさえ武術の世界では既成の事であり、その動きは500年1000年を遡ることも可能である。

清武会大会パンフレット

体幹?インナーマッスル??

体幹?インナーマッスル??
体幹とは、捉え方は様々ですが、簡単に言ってしまえば胴体部分のことです。体幹を構築している筋肉をインナーマッスル(深層筋)といいます。インナーマッスル(深層筋)はアウターマッスル(表層筋)の動きを助け、なめらかで複雑な動きをする際に活躍します。

体幹を最初に重んじたのは武道やバレエと言われています。現在は「体幹トレーニングを取り入れている」といった感がありますが、元来日々の稽古の中で体幹やインナーマッスルを刺激しているのです。その事に気が付いて動くのか、気が付かないで動くのかでは結果が大きく変わってしまいます。体幹・インナーマッスルの特徴を知り、稽古の中で意識して動くことが大切です。

知っておきたいポイント

力の根源は下半身です。その力が下半身から上半身へ伝わり、そして相手へ無駄なく伝える事が大事なのですが、そこで活躍する身体の部分や筋肉が、体幹でありインナーマッスルです。体幹・インナーマッスルが活躍することで動きがなめらかになり、身体を安定させ、協調性が出来てくるので、投・打・走・跳・蹴のパフォーマンスの向上が期待できます。多くのアスリートが注目し実践しているのはそういった理由からです。
知っておきたいポイント

体幹トレーニングで意識する筋肉は、4大インナーマッスルと言われる「腹横筋」「横隔膜」「多裂筋」「骨盤底筋群」。それと下半身と体幹を繋ぐ「大腰筋」

三戦で下半身を締め上げ、息吹を入れた状態は、上記のインナーマッスル全てが連動して働きます。

インナーマッスルの特徴

  • アウターマッスルに比べ疲労しにくく、持久性がある
  • 鍛える為には、ゆっくりした動き、低重量で
  • 年齢を重ねても衰えにくい

などなど…壮年部注目の内容です!

体幹の力を手足に伝えるには柔軟性が必要なのでストレッチも合わせて行うと良いでしょう。

「腹横筋」「大腰筋」トレーニング

「腹横筋」トレーニング

横蹴上げ(ゆっくり 慣れるまで身体を支えると良いでしょう)
横蹴り(ゆっくり)

「多裂筋」トレーニング

後ろ蹴り(ゆっくりと)
トンボ

「横隔膜」「骨盤底筋群」「ストレッチ」を含む全て 連動した動き

前~横~後ろ蹴り(ゆっくり)
三戦息吹(正面)
三戦息吹(斜)
下勢1
下勢2
下勢~金鶏独立~分脚~トンボ

インナーマッスルと体幹の事を知り、空手・武術の動きとの共通点を知る事で、体幹の重要性や武道・武術の深さを感じたのではないでしょうか。どちらが良い悪いではなく双方からアプローチして空手のパフォーマンスアップにつなげてください。そして何より稽古のもつ重要性や深さに気が付いていただき、稽古に取り組んでもらえたらと思います。